鳥獣被害特措法

  • 2008/01/15(火) 21:30:04

鳥獣被害特措法というものが出来たらしいです。
いかにも農山村住民のことを考えた法律のようですが・・・

由良野の森管理人宅では新聞を購読していないし、
テレビも見ることがほとんど無いので
東京の亀山さんからのメールでこのことを知りました。

宮崎駿監督の「もののけ姫」を観て、あれほど多くの日本人が心を動かされたと言うのに・・・

共感することが多いので、以下に亀山さんの文章を紹介します。
(日本熊森協会 の出している「 クマともりとひと 」は由良野の森にもあります。読みたい方にはお貸しします。)
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「 鳥獣被害特措法 」と云う、法律が12月13日、参議院本会議で
審議なしの全員一致で可決されました。
http://homepage2.nifty.com/kumamori/nougyoyusinbun.html


この法案は、最近被害の目立つ熊や猪を対象として、市町村の役人に銃を支給し、
熊が出た場合には、役人がこれを射殺する。と云うことを定めたものです。

近年、熊や猪が、畑や田んぼに頻繁に出物するようになり、農作物の
被害が絶えません。農家にとってはせっかく育ててきた、大切な現金収入の
糧が食べられたり、猪の運動会でめちゃめちゃにされたりで、とても困っています。

里山の農家の人たちは全国どこでも皆、口をそろえて云います。
日が暮れると外は動物だらけ。うじゃうじゃいるそうです。
そして時には、熊に襲われて怪我を負うと云う事故も起きています。

そんなわけで、議員や役所に、何とかしてくれ。
と、云う要求が殺到し、それがこの法律となりました。

ところが、被害にあっている農家の人たちは、動物を殺せ。
とは、全く云っていません。
それなのに、なぜか「 殺せ! 」の法律となってしまいました。
農家の人たちは、むしろ、動物たちを不憫に思っているのです。

日本の山の森は、明治と第2次大戦後の政策で、杉が大量に植林されました。
どこへ行っても人工樹林の杉だらけです。
特にひどいのが四国と九州です。
飛行機から見降ろすと、四国の南側は95%針葉樹です。

山奥の人工樹林の中を覗いてみたことありますか?
夏の真昼間でも薄暗く、地面が枯葉で真っ茶色のところも多々あります。
針葉樹の森の中は死の森です。
外材のコストに押されて間伐や手入れがされなくなり、細い杉が密生し
太陽光の入射をさえぎっています。
死の森の中では、植物もまれで、昆虫も動物もほとんどいません。

照葉樹の森は、いろいろな種類の樹木が高低さまざまで、森の中は
花や実を求めて昆虫や鳥、動物たちが賑やかです。

ひところ、スギ花粉による花粉症が大騒ぎとなりましたが、あれは
ホンの序曲に過ぎません。

針葉樹によって生息域を極端に狭められた動物たちに、
地球温暖化が追い討ちをかけます。

ドングリを始めとする木の実が実らなくなり始めているのです。
2004年は大不作の年でした。
今年、大量の熊が射殺されています。
今年も大不作なのでしょうか?

畑に大量に出没する熊や猪は、実は飢餓寸前の難民たちなのです。
撃ち殺された熊たちは、皆ガリガリにやせ細っています。

その飢餓難民を大量虐殺しようという法律が
この「 鳥獣大量虐殺特措法 」です。

彼らは我々人間:日本人が、山を壊したことによって発生した飢餓難民です。
それを大量虐殺しようとしているのです。

難民キャンプを作り、我々が破壊した森を再生して、
森に返してあげるのが筋です。

そんなわけで、日本中の針葉樹を伐採し、照葉樹に変えていくプロジェクトを
推進しているのが、「 日本熊森協会 」です。
http://homepage2.nifty.com/kumamori/


この協会は、97年に尼崎の中学校の理科の自由課題で一人の女の子が
問題提起したことでスタートし、その時の担任の先生だった森山先生と
その女の子が今も精力的な活動を行っています。


97年からの感動的な活動のストーリーがまとめられています。
100円の冊子「 クマともりとひと 」です。
みなさん、ぜひ購入して読んでみてください。
100円では赤字ではないの? と心配してしまうほど立派な本です。

さて、熊や猪は森の中に獣道を作り、熊は余計な樹をなぎ倒して
明るく広々とした森の空間の手入れをしていることが判ってきました。
まだ僕は写真でしか見たことはありませんが、熊がたくさん(=自然に)いる
森は、明るくのびのびとしていてとてもきれいです。
森の動物たちがきちんと手入れしているのです。
森の中ではバクテリアから頂点の熊に至るまで、すべての動物たちが
見事な連携を見せているようです。

そして熊は意外にも動物蛋白をほとんど食べないそうです。
ほとんどドングリや葉っぱ、昆虫などで、時々しゃけなどの動物蛋白を食べる
だけみたいです。
更に驚くのは、とても臆病で、人間を襲うということは通常はないそうです。
襲われるのは、人間が驚いて叫んだ時に、熊が恐怖でパニックになって
かかってくるということです。
森の中で熊と遭遇してもあわてずゆったりと話しかければ大丈夫だそうです。

グリズリーのハリウッド映画や新聞で報道される熊の姿に
どうやら僕たちは大きな誤解をしていたようです。

そんな熊たちが生息域をほとんど失ったところに今度は大量虐殺で、
本当に絶滅が寸前となりつつあります。
熊の胆は、高値で売れるので、これも実は大きな問題です。


さて、問題は虐殺による熊の絶滅だけではありません。
山の岩清水が枯れ始めたとの報告が相次いでいます。

僻地の高齢者の村では、近所の岩清水や井戸が枯れて、
年々奥地まで水を求めて歩かなければならない。と云う事態が
発生しているそうです。
まるで昔NHKのドキュメンタリーで見た、アフリカかタイのような
光景です。

30〜50年かけて、照葉樹の森が雨水を浄化して湧き出ていた水が
枯れ始めたのです。



銃による事件が頻発しています。
役所にライフル銃を装備すると云うことは、警備の手薄なところに
銃がありますよ。と、宣伝しているのと同じことです。
911やサリンだけではなく、振り込め詐欺事件と云い、ウィニーと云い、
駐禁や飲酒の気違い沙汰の取締りと云い、社会不安をあおって警察権限を
強化する手口のひとつなのでしょうか。


避難民の動物を虐殺するのではなく、難民キャンプを作り、
山の森を再生し、動物たちと一緒に山を復活させるための
新法案を作るべきと思います。
「 鳥獣被害(難民虐殺特措法 」を廃案に追い込む「 鳥獣難民キャンプ設立法案 」です。
「 特措法 」って云う名称はとんでもない印象が強いので使いたくないですね。